私のセミナーを受講した方はお気づきだと思いますが、私はどちらかというと太った体型をしています。5年前に会社退職後に受診した自治体の健康診断で案の定メタボ検診で引っかかった私は、生活指導なるものを受ける羽目となりました。その時担当していただいた保健師の女性がとても親身になって心配してくれるので、生来ずぼらな私もなにか運動をしてみようという気になり、万歩計を購入し一日一万歩のウォーキングを日課にしました。
自宅を起点に歩くのですが、近くの工業団地内を歩いても殺風景ですし、水田や畑の近辺を歩くとマムシや野良犬がいて危険です。遠出して石岡市の旧市街を歩くと見るものがいっぱいあって面白いのですが、時間がかかりすぎ疲れてしまいます。困った私はどうしたらウォーキングを続けられるか考えました。その結果、私はどうも田園風景より市街地や繁華街の方に魅力を感じる人間であることに気づきました。
それ以後は車で10~60分走って、各地の繁華街を夜歩くようになりました。しかし夜の繁華街には①店に入ってみたくなる葛藤(笑)②声をかけてくる客引きの対応が面倒等別の問題があります。その結果、あまり人気のない寝静まった街を歩くようになりました。
ところどころにコンビニ等はあるのですが、基本的に見て面白いものはなく、心は平静を保ったまま暗い街を1~1.5時間程度ただひたすら歩きます。皆さんご想像の通り退屈なので、色々と考え事をしつつ歩きます。そこで登場するのが前回ご紹介した『どこでもメモ』です。歩きながら考えた末にまとまったアイデアや、突然ひらめいたアイデアをその場で書きとめるのです。暗い夜に歩いているので、メモを取るには明かりが必要です。アイデアが脳から消える前に、あわててコンビニや飲料自販機、外灯のあるところまで走って行って一心不乱にメモを取るのです。その姿は、誰が見ても『不審者』そのものですよね(笑)。警察の不審尋問に引っかかっても不思議ではありません。
こうしてとったメモに書かれたアイデアは、睡眠中に思いついたアイデアに比べると、さすがに起きているときに思いついたせいか、結構『使い物』になりました。私のビジネスセミナ―やコンサルティングにも随分役に立っています。
ここまで読まれて「深夜人気のない街を一人で歩いて、なぜ画期的なアイデアが浮かぶんだ?本当に大丈夫か、角川は?」と思われた方も多いでしょう。この問いに対する私の回答は次の通りです。このアイデア創出法にはいくつかのポイントがあり、それらを一つでも外すと有効に機能しません。そのポイントとは①深夜(21~23時)に②人気のない市街地や住宅街を③『どこでもメモ』を携帯して④1人で歩く、です。これらのポイントは実はすべて「自分と一対一になって向き合う」ために必要な条件なのです!! 深夜歩くのは、目から入る視覚情報を減らすためと、車や自転車に注意しなくてよく思考に集中できるからです。1人で歩く理由も思考に集中するためです。
ちなみに「歩く」のは①脳に適度な刺激を与える②血液の循環を促進し、大脳に酸素の入った新鮮な血液を送り込む、ためです。また「歩く」のはスピードが遅いため比較的安全で③思考に集中できます。自転車では①③、自動車では①②③のすべてに問題があり、アイデア創出法としての効果が低くなります。
さてこのメルマガも書き終わったし、今夜はどこの街で何を考えながら歩くこととしましょうかね。どんな画期的なアイデアがこれから私の大脳から出てくるのかワクワクします。そうそう、万一私を夜の街で見かけても決して声をかけないでくださいね。考えていたアイデアが雲散霧消してしまいますので…
あなたは『画期的なアイデア』を思いつくために何をしていますか?