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メルマガ第24号

御社は間接業務の不良発生対策をされていますか?

 三菱自動車は、パリ・ダカールラリーで世界的ブランドとなった4WD車『パジェロ』や、一部に熱狂的なファンがいる『ランサー・エボリューション』、電気自動車「アイ・ミーブ」等でその存在感を示している自動車メーカーでした。しかし今回の事件の報道を聞いて「またか!!」と思われた方も多いことでしょう。今回の事件についてマスコミは次のように報じています。

 2000年と2004年の相次ぐリコール(回収・無償修理)隠し問題を受けて倒産寸前に追い込まれた三菱自は、三菱グループの全面支援を受けて再建を進めてきた。
しかし、今回の不正では顧客への補償など多額の資金が必要になるうえ、販売面でのダメージも避けられない。三菱グループがどの程度支援できるかは不透明で、三菱自が再び存続の危機に立たされる可能性もある。(毎日新聞)

 三菱自を追いつめているのは、開発力の低下と資金力不足だ。ホンダも事業拡大による開発力の低下で苦戦をしているが、それでも開発費(14年度)に6626億円を投下している。一方、三菱自のそれは746億円(同)と圧倒的に少ない。前回のリコール発覚後の経費削減、人員削減などで三菱自は財務的には立ち直ったが、その代償として開発力の低下による影響は大きい。新型車開発で目標値に達せず、不正行為に手をつけた今回の経緯は容易に想像できる。(Business Journal)

 16年間で不祥事発覚が3回ですから、これは今回の事件の主役「開発部門の元担当部長」1人の問題ではなく、同社の経営体質(マネジメントシステム)の問題と考えるのが妥当と思います。

 同社の軽自動車は競合他社の物に比べ燃費性能は劣っていたとされ、エコカー減税の対象となる数値クリアを経営陣から厳命されていたであろう当該の元部長の感じていたプレッシャーは相当なものと推測できます。しかも元部長には責任だけあって、彼の必要とする設計スタッフはリストラの影響で質・量とも充分でなかったようです。そう考えると本件は私が前職で経験した『3つの悲劇』の内、設計部長による認証偽装事件(本来5人分の仕事を2人でやった結果、手が足りず監督省庁へ偽装データを提出した事件)と類似した事件とみることができます。本件の発生防止には『AIOS標準ver.』が有効で、業務毎必要工数を累計した部署毎必要工数管理を行っていればこのような事件は発生しなかったのでは? と思います。

 次のポイントとして人事(特に昇進)の問題についてお話しします。日本企業によく見られる問題点として、前任者の不正を発見したとき後任者が指摘しづらい点があります。なぜならたいがいの場合、後任者は前任者が「引き上げる」ことが多いからです。まして前任者と後任者の上下関係が人事異動後も存続する場合、後任者が前任者(上司)の不正を指摘するのは非常に勇気がいることでしょう。このような風土の会社では、人事異動が不正発覚に結びつくことは極めてまれといえます(東芝で起きた不正会計の継承事件がその典型と言えます)。

 特に中小企業では縦の人事異動(昇進)ばかりで、横の人事異動(配置転換)はまれなケースが多いようです。その理由は、配置転換による①組織パフォーマンス低下②不測の事態発生、を恐れるからです。このような会社では①部署間の壁が高くなる②仕事が属人化する、等により業務不良発生の温床が醸成されていきます。

 この問題解決には『AIOSスキル・マニュアルver.』が有効です。①同ver.作成②業務マニュアル整備③業務遂行に必要なスキルと習得方法の明確化、の3点を実施すれば、定期的に配置転換が行え、組織の風通しもよくなり、従業員個々のスキルと見識も向上します。また同ver.では昇進基準も明確化するため、本当に実力のある人が昇進するようになり、上司の「YESマン」ばかり昇進するような事態も避けられます。

 以上、①業務工数管理の重要性②昇進基準の明確化と配置転換の重要性、の2つの視点から今回の三菱自動車の起こした事件について私流に解説してみました。皆さんのご参考になれば幸いです。
 
 改めてこれから同社従業員がどのような目に合うかを考えると、『業務管理システム(≒AIOS)』不在の恐ろしさについて再認識させられます。コンプライアンス(法令順守)違反に保険はありません。あるのは法的罰則と、ある意味それよりも恐ろしい社会的罰則(不買運動等)です。

 御社は間接業務の不良発生対策をされていますか?

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